陸上競技は短距離・中距離・長距離走など走る競技が行われるトラック種目と砲丸やハンマーなどの投擲競技、幅跳びや高跳びなどの跳躍競技が行われるフィールド種目に大別されます。走る・跳ぶ・投げるなど様々な競技が含まれますが、リレー以外は個人競技です。
個人対個人の競技ですが、この競技における一番のライバルは自分自身です。これまでのトレーニングの成果を競技にぶつけ最高のパフォーマンスをすることを目標としています。競技者にとって一番の大舞台はオリンピックです。今までマラソンやハンマー投げ、陸上競技では唯一と言える団体戦のリレーでメダルを獲得していますが、海外選手との体格の違いもあり、陸上競技ではなかなかメダルの獲得ができていません。
しかし最近は100メートルを参考記録ながら世界基準である9秒台で走る日本人選手が登場しているため、東京オリンピックでは日本人初の短距離走のメダリストが誕生するかもしれません。
深刻化するドーピング
オリンピックで近年大きな問題となっているのが、個人競技に出場している選手のドーピングです。今までも度々報じられてはきましたが、その規模は年々拡大し、かつ巧妙化しています。ときには国家ぐるみの関与が疑われる事例も浮上しており、より厳しい対策が求められているのが現状です。
そもそもオリンピックというものは、団体や個人競技を問わず、公正にスポーツするための祭典といえます。ドーピングは、そうした理念を台無しにするものですから、決して看過するわけにはいきません。そして薬物の使用は、選手自身の健康にも深刻な影響を及ぼします。また、違法薬物を正当化することにもなりかねないなど、様々な問題を孕んでいるのです。
このため、オリンピックを目指す選手は、風邪薬さえ摂取することができず、厳しいトレーニングに励んでいます。個人競技におけるドーピングは、こうした努力を無下にする行為に他なりません。選手だけでなく、観客の側にも、より厳格な意識を持つことが肝要です。